庵治石について
庵治石の採石工程
岩盤に入る亀裂のうち、南北を「かさね」、東西を「二番」、水平方向を「目」と呼びます。
亀裂が複雑に交差する庵治石の丁場では、石目を正確に読むことは容易ではありません。確かな技術と経験に培われた職人の勘が頼りです。
採石
質の良い原石をなるべく大きなかたまりで採るため、
石目を見定めることから始まります。岩石には自然にできた層があり、その上裂け目や流れなどのキズが複雑に走っているからです。
火薬の量、しかける穴の数や場所は職人の経験と勘で決まります。
大割り
発破した岩盤を次の作業場へ運べる大きさに割る作業です。ここでも石目を見極めることが重要。削岩機で開けた穴にクサビを打って金槌で叩き割ります。石に水をかけながらキズを探しますが、見極めるのは熟練を要する難しい技術です。
小割り
大割りされた石はさらに小さく割られ、加工場へ運ぶ注文通りの大きさになります。キズがないか細心の注意を払いながらの作業が続きます。採石は豪快に見えますが、実は慎重さが求められる繊細な作業なのです。
搬出
小割りした原石は、石材加工場へ大型トラックで運ばれます。大きさや形が異なるたくさんの石を荷崩れしないように積むのは骨の折れる作業。石材と人の安全を確保しながら運び出すのですが、とても危険な作業のひとつです。